わずかな面積しかないにもかかわらず、アールはドイツ最良の赤ワイン産地の一つと見なされている。シュペートブルグンダーから造られるワインの一部は伝説になっており、それは1846年に、ゴットフリート・キンケルがアールについて以下のように記したからである。
「岩がところせましとひしめきあっており、太陽熱を反射して強めている。黒い斑点のついたスレート石板によって、葡萄畑の表面が覆われているのは意図的なものだ。スレートは昼間に熱を吸収し、冷え込む夜の間に熱を放出して葡萄に与えてくれる。川もまた、ワイン生産者にメリットをもたらしている。夏の夜には、ほのかに温かい水が流れる川面から、薄い霧が立ち上るのだ。夏の朝には、その霧が谷を覆っているのを目にすることができるだろう。これは素晴らしく静謐で厳粛な光景である。霧はカラカラに乾いた岩がちな土壌を潤し、強い太陽光によって成熟した葡萄の皮を柔らかくしてくれる」
キンケルの時代から、アールのワインはほとんど変わっておらず、相変わらずその土地や気候から恩恵を被りつづけている。実際、ドイツの有力なワインガイドであるゴー・ミヨが、ワイングート・マイヤー・ナケルのピノ・ノワールに賞を与えてきために、この地方にはスポットライトが当たっている。