香りの芸術、ヴィオニエ|ピーロート・ジャパンオンラインショッピング
香りの芸術、ヴィオニエ
ヴィオニエ(Viognier)は、フランス原産の白ブドウ品種で、特にローヌ地方が有名です。香り豊かでエレガントなワインを生み出すことで知られ、果実のフレーバーが豊かで複雑なワインになります。
アプリコット、白い花、ピーチ、シトラスの香りが特徴的で、これらが合わさった華やかな香りを持っています。酸味は控えめで、しっかりとしたボディと柔らかなテクスチャーで、スパイスやハチミツのニュアンスを感じることもあります。フレーバーの深さと豊かさが最大の魅力です。
近年はカリフォルニアやオーストラリア、南アフリカなどでも人気を集め、世界中で生産されています。ローヌ地方の代表的なコンドリュー(Condrieu)この小さなAOC(原産地統制呼称)は、世界でもヴィオニエの最高峰と称され、アプリコットや白桃、オレンジの花、そしてほのかなスパイスの香りを持ち、その華やかさと個性は他の白ワインとは一線を画しています。
ヴィオニエは栽培が難しく、収穫量が少なくなることが多いため、安定した品質のワインを生み出すためには、繊細な管理が必要です。しかし、このブドウが生み出すワインの品質とユニークな風味は、その手間を惜しむ価値があります。
また、ヴィオニエは単一品種で造られることが多いものの、ブレンドにも用いられる点が興味深いところです。たとえば、ローヌ地方では赤ワイン品種のシラー(Syrah)と少量のヴィオニエをブレンドすることで、香りに華やかさを与える技法が伝統的に行われています。
絶滅危機から復活し世界各地へ
20世紀半ば、ヴィオニエの栽培面積はわずか数ヘクタールにまで縮小しました。この品種は栽培が難しく、低収量で病害に弱いという特徴があり、生産者にとってリスクの高い選択でした。さらに、フィロキセラ禍や第一次・第二次世界大戦の影響もあり、ローヌ地方の急斜面でのヴィオニエ栽培はほぼ放棄されていました。しかし、この品種に魅了された少数の生産者たちが、その特異な香りと味わいを守るために努力を重ねた結果、徐々にその地位を回復しました。ヴィオニエの復活は、ローヌ地方を超えて世界各地に広がりました。特に、アメリカのカリフォルニアやオーストラリアでは、温暖な気候のもとで栽培されるので、フランスのものよりもさらに熟した果実味を持ち、時にエキゾチックな香りを放つことがあり、新たな魅力を見せています。
2021年オーストラリアのヤルンバ・ワインズのチームによって毎年4月の最終金曜日に国際ヴィオニエデー(Viognier Day)を開始しました。世界のワイン市場では、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった有名白ワイン品種が注目される一方、ヴィオニエはまだ知る人ぞ知る存在です。この日を通じて、ヴィオニエのユニークさや素晴らしさを広めることを目的としています。SNSで「#ViognierDay」を検索し、各国のワイン愛好家たちがどのようにこの日を祝っているのかを見てみたり、スパイシーなアジア料理やクリーミーなパスタ、グリルした魚介類と抜群の相性を誇りますので、この機会に、自宅でペアリングを試してみるのはいかがでしょうか?
合う料理
タイ風グリーンカレー、麻婆豆腐、エビチリ、カルボナーラ、鯛の塩焼き、ホタテのバター醤油焼き