伸氏:おっ、最初にグラスに注いだ時から、だんだん印象が変わってきて、こなれてきているね。これがフランスの高品質ワインのいいところ。徐々に変化をしていくから、一皿一皿ゆっくり時間をかけて食べる料理にも耐えられるんだよね。
ゆう子氏:複雑さもしっかり備わってるね。最近のフランス料理って一皿にいろんなものが乗っているから、合わせるワインに複雑さが求められる。片方が単純だと、バランスが取りにくい。
伸氏:シンプルな赤ワインと複雑な料理だと、ワインがその料理の一部になっちゃうよね。
ゆう子氏:料理とワインと、どちらも複雑さがあれば、ペアリングによる相乗効果が得られる。
伸氏:さっきのマルベックもなめらかなタンニンがあっていいけど、シャトー・
クラークは音楽の抑揚を味わうように、変化を楽しむワインだな。
ゆう子氏:確かに、奥にあったミネラルがだんだん出てきた。ぐいぐい変化してるね。
伸氏:さっきの2つのワインと比べると、コースの最後に出してもよさそう。凝ったソースを使ったメイン料理にも寄り添える、グラン・ヴァンの存在感があるね。