暑さ和らぎ、実りの秋へ。
葡萄の便りと出合う、処暑のワインジャーニー。
朝夕の風に涼気が混じるようになる「処暑(しょしょ)」。
日中の陽射しにはまだ夏の力強さが残るものの、ふと吹き抜ける風や、高く澄み渡る空に、確かな秋の訪れを感じる季節です。
食の面からも、秋の実りの便りが続々と届きます。お米や野菜、果物など、夏の日差しをいっぱいに浴びてたっぷりと栄養を蓄えた農作物が、食卓を豊かに彩り始めます。
そして、ワインの母である葡萄(ぶどう)もいよいよ最盛期へ。
毎年楽しみなボジョレー・ヌーヴォーも、例年この処暑のころに収穫のカウントダウンが始まりますが、今年は8月中に収穫が予定されているとのこと。
現地のサプライヤーからのレポートによると、2026年は晩春から熱波に襲われ、7月には40度を超える猛烈な暑さに見舞われたそうです。それでも、過酷な気候を生き抜いた健康な葡萄たちはふっくらと実をつけ、今は静かに恵みの雨を待っています。どうか無事に、豊かな実りとなりますように――。遠く離れた畑の葡萄たちの健やかな成長を、ただ願うばかりです。
生産者の情熱と自然のドラマが詰まった今年のボジョレー・ヌーヴォーに想いを馳せながら。実りの秋と出合う、処暑ならではのワインジャーニーをゆっくりとお楽しみください。
処暑の食卓を彩る、旬の恵み
夏の疲れを癒やす食材から、これから深まる秋に向けてたっぷりと栄養を蓄えた「実りの味覚」へと主役が交代し始めます。
秋刀魚(サンマ):秋の味覚の絶対的エース。処暑の頃から水揚げが本格化し、丸々と太って脂ののった秋刀魚を塩焼きにすれば、香ばしい匂いが秋の訪れを強烈に実感させてくれます。
秋茄子(ナス):「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがあるほど、昼夜の寒暖差で旨味と甘味がぎゅっと凝縮される秋茄子。油との相性が抜群で、火を通すことでトロトロの食感に仕上がります。
葡萄(ブドウ):ワインラヴァーにとって秋の象徴とも言える果実。瑞々しい甘みと爽やかな酸味は、そのままデザートとして味わうのはもちろん、チーズや生ハムと合わせて前菜に仕立てても絶品です。
●旬の食材
秋刀魚(サンマ)、秋鮭、マイワシ、太刀魚、 秋茄子(ナス)、サツマイモ、里芋、きのこ類、スダチ、葡萄(ブドウ)、イチジク、梨、栗
処暑の食卓とワインのマリアージュ
●深まる秋の味覚に、新しい表情を引き出す至極の出合いを
・秋刀魚の塩焼きスダチ添え × ピノ・ノワール
香ばしく焼けた秋刀魚には、シャープで繊細な酸、タンニンを持つピノ・ノワールを。スダチをたっぷりと絞ることで、ワインの果実味と見事に同調し、青魚の旨味を洗練されたフレンチのように引き上げてくれます。
・秋茄子とキノコのバルサミコソテー × まろやかでコクのあるメルロー
オリーブオイルをたっぷり吸い込んだトロトロの秋茄子と、香り高いキノコをバルサミコ酢でソテーした一品。ここには、口当たりが滑らかでふくよかな果実味を持つメルローが完璧に寄り添います。バルサミコの甘酸っぱさとワインのふくよかさが出合い、秋の夜長にじっくりと味わいたい至福のペアリングが完成します。
・旬の葡萄とブッラータチーズ × 華やかでアロマティックな白ワイン
半分にカットした旬の葡萄(巨峰やシャインマスカットなど)に、クリーミーなブッラータチーズを合わせ、オリーブオイルと黒胡椒をひとまわし。この瑞々しい前菜には、ライチや白い花のような華やかな香りを持つゲヴュルツトラミネールが最高のパートナーです。互いの甘みと香りを引き立て合う、心躍るマリアージュです。
処暑の季節を彩るイベント
【フランス】
・ボジョレー・ヌーヴォーの収穫
時期:8月下旬〜9月上旬
概要:フランス・ボジョレー地域で、その年の新酒(ヌーヴォー)を造るための葡萄の収穫がいよいよスタートします。今年の猛暑を生き抜き、生産者たちが大切に守り抜いた葡萄が摘み取られる、一年の集大成ともいえる感動的な一大イベントです。
≪おすすめのペアリング≫
ただいま2026ボジョレー・ヌーヴォー&ジャーマン・ヌーヴォー先行予約受付中! お早めにご予約を済ませて、ゆっくり新酒の到着をお待ちください。
【富山】
・おわら風の盆
時期:9月1日〜3日
概要: 台風などによる風害を鎮め、豊作を祈願する伝統行事。編み笠を目深に被り、哀愁漂う胡弓の音色に合わせて三日三晩、町を静かに踊り歩く、美しくも幻想的なお祭りです。
≪おすすめのペアリング≫
涼しい夜風の中で静かに情熱を秘めて踊る姿には、エレガントで余韻の長い上質な熟成赤ワインが重なります。しっとりとした秋の夜の空気を感じながら、グラスの中で静かに開いていく香りを堪能してください。
処暑の暮らしとワイン
・備えを見直し、日常に感謝する「防災の日」
昔から台風の多い「二百十日(にひゃくとおか)」にあたる9月1日は「防災の日」。災害への備えを改めて見直し、家族でいざという時の連絡ルールなどを話し合う、安全への意識を高める大切な日です。
ローリングストック(循環備蓄)している缶詰やレトルト食品を使って、防災を身近に感じる食卓を作ってみませんか? ツナやサバ缶、クラッカーといった保存食にも、どんな食事にも優しく寄り添う万能なロゼワインを合わせれば、立派なワインディナーへと早変わりします。当たり前の日常に感謝しながら、心穏やかに過ごす夜のご提案です。
・虫の音に耳を傾ける「秋の夜長」の始まり
処暑を過ぎると、夕暮れ時から響いていたセミの鳴き声が、いつしかスズムシやコオロギの涼やかな音色へと変わります。窓を少し開けて、秋風とともに自然のBGMを楽しむ風流な時間の始まりです。
≪おすすめのペアリング≫
キンキンに冷やした夏のワインから少しシフトして、室温に馴染ませた芳醇な白ワインや、軽めの赤ワインをゆっくりと味わうスタイルへ。移り変わる季節をグラスの中で感じながら、心地よい夜のひとときをお過ごしください。
実りの秋と新しい味わいに「出合う」、
豊かなワインジャーニーを。
厳しい暑さがようやく落ち着きをみせ、吹き抜ける風にふとした秋の気配を感じる「処暑」。
夏の余韻を楽しみつつも、葡萄をはじめとする豊かな「実り」が一斉に顔を出す、食の楽しみが格段に広がる季節です。
いつもの食卓も、選ぶワインを少し秋めいたものに変えるだけで、風景がガラリと色鮮やかに変わります。
ピーロート・ジャパンでは、未知の味わいとの出合いを毎月お届けする『ワインペアリング定期便』をはじめ、皆様の日常を豊かに彩る様々なワインジャーニーをご提案しています。
涼しい秋風を感じながら、脂ののった秋の味覚に寄り添う美味しいワインのコルクを開けて、心安らぐ豊かな時間をお過ごしください。
全国のワイン試飲会情報
ピーロート・ジャパンでは、ホテルでのラグジュアリーな試飲会から、レストランやワールドワインバーでのカジュアルなイベントまで、全国各地で多彩なワインイベントを開催しています。
会場では、普段なかなか味わえない希少なヴィンテージや、季節のおすすめワインなど、世界中から厳選されたラインナップをテイスティング可能。知識豊富なワインコンサルタントが、お客様の好みやライフスタイルに寄り添い、運命の1本を見つけるお手伝いをいたします。
参加費無料のイベントも多数ございます。季節やその時々の気分にあったワインを探しに、ぜひお近くの会場まで足を運んでみませんか?
これまでの二十四節気とワイン
2025年「処暑」のコラム